□ くたくたに煮る

あまり知られていないが,イタリア料理には,豆や野菜をくたくたに煮るという範疇の料理がある。

例えば,
□ 豆のラグー
  白インゲン豆やうずら豆などを一晩たっぷりの水に浸して戻し,セージなどと一緒に塩とひたひたな戻し汁を入れて豆がくたくたになるまで弱火で茹でる。
  これだけである。食べてごらんなさい。ええーと驚くから。
  これをベースにしてトマトなどと一緒にしても良いが↑が最も旨い。目からうろこである。
  
  イタリアンではないが,これに鴨のコンフィーなど肉と煮込むというカスレというフレンチがある。私も冬の寒さが厳しいときに時々作るものがある。そのうちに,それほど難しくはない。フランスの家庭料理だ。

□ カリフラワーの塩ゆで
  丸のままのカリフラワーを中火で塩茹でするだけ。
  歯ごたえがなくなったら粗く潰して適当に味をつけてパスタソースにすると信じられないくらい旨い。
  イタリアの有名なパスタソースのできあがりである。

□ 茹でサヤインゲン
  これもサヤインゲンに塩をして底に少し水を入れた鍋で強火で茹で,潰したニンニクとオリーブオイルと塩で和えるだけ。

□ 揚げ甘ながのトマトバジリコソース
  これはまずオリーブオイルで甘ながを軽く(本当に軽く)炒めて,その後中火で蒸し焼きにする。そして軽く焼き目が付いたら取り出して,タマネギを入れて弱火でタマネギがトロトロになるまで炒め,その後甘ながを戻してトマトを加え,柔らかーくなったらバジリコの葉を加えて塩で味を調えるだけ。

以上簡単でしょう。でも,これらもイタリア料理の神髄です。

夏になり,長野や群馬の田舎に行くとよく作るのです。

追記
以上最後のものを除き,できればトマト味にしないように。
日本人は,イタリア料理というとすぐにトマト味にする悪い癖がある。
これは我が邦の偉大な料理である「スパゲティナポリタン」(笑)の影響なのかもしれない。
トマトは優れた食材であるのは間違いないが,これを混ぜるとすべからくトマト味になってしまう。
なお,トマトの最高の料理は,よく熟れた新鮮なトマトをただオーブンで焼くことに尽きる。塩もいらない。