□ 男山(1858m) 天狗山(1882m)
南佐久の山々です。

日本航空123便の落下地点ともそうは離れていません。直線距離で10km少しくらいでしょうか。こんな山中に落ちたんですよね。

甲府修習の頃,思い立って登った山です。
甲府駅の西にある竜王駅前のマンションに甲府修習生のうち4名が住まいしていましたが,竜王駅(右引用の一番下の写真に近いボロな駅舎)は,各駅停車しか止まらず,駅からは見渡す限り(見渡すとは比喩です)マンションなどはないところだった。
そんなところにあるマンションには,ヤクザが住まいして時々新聞に出ていました。まあ,ほとんどの住民は普通の人でしたが。

そこは位置的には南アルプスや金峰山や八ヶ岳が一望(全部は見えないので比喩です)にできる位置にあり,裁判所の建物からも南アルプスがよく見えたものです。
言うまでもなく周り中,山だらけでした。
また,真冬には八ヶ岳颪という冷たーい強烈な風がマンションを揺らしたものです。
但し,年中(正確には1年と4ヶ月間)いると山の姿だけで満足してしまって登ろうという気にならないモノでした。それでも検察修習の時に教官に連れられて登った山も含め以下の4つ(連山を含む)くらいは登りましたか。

南アルプスの南部
金峰山,瑞牆山
北八ヶ岳
   一緒に登った修習仲間が昨年2021年に亡くなった。時の流れは空しいくらい無情だ。
この山

そのうちの一つです。どうも景色と山の雰囲気だけで満足していたのを無理に気持ちを奮い起こして登った山です。
こんな美しい山へ本当に行ったのか(笑)。多分,ガスで山が見えなかったのでしょう。記憶力のせいだとは思いたくない(笑)。

今はどうかわかりませんが,当時はまったく知られざる山で,しかも林道が登山道をずたずたにしていたのでとりつきや下の方の登山道が問題でした。
無人の佐久広瀬駅に降り立ち,男山から天狗山への尾根沿いを縦走したのですが,梅雨の頃登ったので男山の登山口に取り付いて頂上に至るまではガスでまるで眺望が開けなかった。登り切ったころから雲のまにまにチラチラと稜線は見えました。
晴れていればこんな感じです。
このガイドブックにもズタズタになった登山道の記載がなく,しかもガスがかかった梅雨の頃に登ったものだから,結構迷いました。
いずれも2000mに満たない山ですが,不思議とガスの中に浮かぶこの稜線の風景は心に残ったのです。
帰りも迷って迷って大変苦労しました。
大変なアルバイトを強いられた日帰り登山でした。

そしてこれが一人で登った最後の山になってしまった。
最終目標だった北鎌尾根などにも登り損なった。

そしてその後の温泉付きの山登りなどというものは散文そのものである。