Marin Marais
マラン・マレ(1656年5月~1728年8月15日)は,
ビオラ・ダ・ガンバ弾き&作曲者です。
知らない方は,wikiを見てください。手抜き解説(笑)
Bach が1685年生まれですからその30年前の世代の仏蘭西人です。
10歳頃に聖歌隊に入り,その後長じては,宮廷のガンバ弾きとなり,その後は指揮者などもしました。
Bachよりは指導者に恵まれたことを除き,よく似た経歴ですというか,この頃の音楽家は一様に大体同じ経歴です。作曲という仕事だけで経済的に自立できたのはブラームスの頃まで待たなくてはなりません。

作曲は,ほぼガンバ単独,またはその合奏曲ばかりです。
ガンバオタクには,痺れるような(笑)存在です。
ガンバという楽器は,弓で弦を弾く点を除き vn などの弦楽器と違い,4度で調弦する6本の弦を持ち,フレットを有するなどむしろ guiter などに近い楽器です。と,どこかで書いたような気が(笑)
弓の持ち方もセロなんかとは逆でしょう。この楽器も古典学派などの曲がオーケストラを使って大ホールで演奏される頃には廃れてしまいました。
音量が小さいからです。但し,英吉利を除き。

ガンバにせよ,アルトが好きだと言うことも,我ながら低い音域の楽器が好みなのですね。知ってますか。 guiter が演奏している楽譜は,1オクターブ高く書いてあって,本当の guiter が出している音は1オクターブ低いのです。

よく聴かれるのは,
Les Folies d’Espagneで,聴いたことがあるでしょう。
Corelli : La Follia の変奏曲のようなものです。

Le Badinage, IV.87
これもよく聴かれる曲です。幽けき音が堪らないと思いません?

Passacaglia, BWV 582
Elizabeth Rumsey, treble viol
Joëlle Morton, tenor viol
Debra Lonergan, bass viol
Josephine van Lier, consort bass viol
Marilyn Fung, G violone
Jeanne Yang, harpsichord
Bach もビオールのための合奏曲を書いてます。バイオリン族の合奏よりいいでしょ。

Chaconne
Josh Cheatham (viola da gamba)
Julien Léonard (viola da gamba)
Skip Sempé (harpsichord)
これもよく聴かれる曲です。
四〇代の頃は,どうしても手に入れたいと考えていたのですが,かなり高価な上,レパートリーも限られている(guiter も散々これで悩まされたものです。)ので,リュート(笑)と同様諦めました。

但し,現代では復活したと言ってよく,中には,これで Manha de Carnavalを歌う酔狂な歌手もいます(笑)。
by Luciana Elizondo

    C.F. Abel, Adagio WKO 209
上記酔狂な演奏家が,ガンバの名曲を弾いています。かなり上手い。
アベール( 1723年12月22日 – 1787年6月20日)は,Bach の推薦を受けてドレスデンのヨハン・アドルフ・ハッセの宮廷楽団に入ることができた逸材です。
演奏会場の経営に失敗して,最後は酒浸りで死んだそうです。
「酒浸りで」というところが身につまされますね(笑)

Carl Friedrich Abel の曲をもう一曲。
    Allegro in D Minor WKO 208
Shirley Edith Hunt(viola da gamba)
ウーン,なかなかな名曲を書いていますね。さすが Bach の目は高い。演奏家も相当な腕ですね。ビオールの曲は楽器の構造上どうしてもフガフガの連続(笑)というような演奏になりがちなのをきちんと細部も明瞭です。
諦めたのは早まったか(笑)

    Allegro in D minor, WK 207
by Magdalena Kasprzyk-Dobija
悪くない。

さらに,アーベルを。
    [Arpeggio] in D Minor, WK 205
by Lucile Boulanger
アルペジオの曲ですね。
なんだか,未だ,アーベルの作品番号は統一されていないような。さすがにのんべな作曲者を扱うのにふさわしい(笑)。可哀想だ。こんなに名曲を書いているのに。

戻る。
La Rêveuse(夢想)
Mieneke van der Velden – Viola da Gamba
Glen Wilson – Harpsichord

こちらは,バロックリュート編曲版
by Anna Kowalska
これもいい。というか,この曲のリュート編曲版を初めて聞いたが幽玄でべらぼうにいいじゃないか。リュートを諦めたのも早かったか(笑)

Chaconne in A Major
Elisabeth Reed(viola da gamba)
Cassandra Luckhard
Katherine Heater( harpsichord)
珍しい。ガンバの2重奏曲

今回も頭出しだけ(笑)