1 ここで少bessou1し別荘の選び方,買い方をお話ししようと思います。なお,このブログは初めて別荘を購入する人向けのものです。また,集合住宅形式のものも対象外です。越後湯沢に行ってみて下さい。別荘マンションの死骸だらけです(笑)。
もちろん別荘購入等の法律的助言や手続代行などもいたします。これが言いたい(笑)。
今が買い時でしょう。

2 場所ですが,残念ながら関東周辺の別荘地しか知りません。
関東周辺で有名な別荘地というと
・軽井沢及びその周辺(北軽井沢,嬬恋,菅平を含む)
・富士山,箱根の周辺
・伊豆(但し,避寒用別荘地はよく知りません。)
・那須,塩原周辺
・八ヶ岳から霧ヶ峰周辺
くらいでしょうか。

3 場所の選定(マクロ)

少なくとも,自宅又は仕事場から車で数時間~半日くらいで行けるところが良いと思います。面倒になってあまり遠くなると行かなくなってしまうものです。
那須塩原は避けた方が賢明かもしれません。あの辺はおかしな不動産業者がたくさんいたとも言われ,事実,バブルの頃は詐欺まがいに土地を売りつけられた人もたくさんいます。私も別荘購入者の債権者の代理人として那須の土地を何度か差し押さえたことがありますが,執行官が現況調査報告書で「競売対象不動産の所在地不明」とか「雑草が生い茂って到達不能」などと書かれたものを見たことがあります。当然,競売不能ですから取下をしました。良くあった手口が,公図や測量図の上では整然と区画され道路付けもきちんとされている体のものが,現地では道路もなく造成もしていなままというもの。要するに,購入希望者は全然別の優良別荘地を案内されていたというものでした。

また,富士山周辺の別荘地も別の意味でお勧めしません。湿気が酷いからです。

・山が近いか遠いか。
これは良い悪いの区別ではありませんが,山の頂が遠くに見えるか近くに見えるかで別荘地の印象が変わります。
つまり,山が遠くに見える別荘地(清里,那須高原)というのは,高原台地が広い,すなわち開放感があるということであり,逆に,山が近くに見える別荘地は山が迫り全体的に急峻な感じ,私の主観的な感覚では「寂しい感じ」がするというものです。
五万分1の地図を開いて等高線の間隔を見て下さい(笑)。

・標高と年間気温調べ

別荘地の標高と年間気温を調べてください。有名な別荘地(例えば,原村)であればインターネットサイトを調べればたいてい分かります。
標高が1000mを相当下回ると,温暖化の現在では,避暑にならない場合があります。例えば,軽井沢の標高は1000m弱ですが,昨今の8月の暑いときの昼間だと気温は30度を超えます。もっとも,夕方から朝までは寒いくらい涼しいし,昼でも木陰に入ればすーと涼しくなりますが,日向はしっかり暑い。冷涼地を代表する別荘地がこれですから,もっと低い別荘地では避暑にならないと感ずるかもしれません。
軽井沢は,今年(2018年)も楽々30度を超えました。本州でここより冷涼なリゾート地(原村などはそうです。)はそうありませんから,避暑地としてふさわしいものはもっと標高の高いところを個別に探すしかありません(笑)。また,高い木立に囲まれた土地がよいかもしれません。

・湿気

上にも書きましたが,別荘地によっては霧の多発などで(軽井沢の年間の霧発生率は3分の1)湿気の酷いところがあります。まあ,登山をする人間にとっては当たり前ですが,山小屋などのように山や高原の森の中はたいてい湿度が高いんです。それでも度を超す程湿度の高い別荘地は避けた方が良いでしょう。
いずれにせよ,高原の別荘地では洗濯物は満足に乾きません。乾燥機と高い能力を持つ除湿器がかかせません。

・観光地化

観光地化している場所も止めた方がよいでしょう。年がら年中,周りを人がうろうろしているようなところでは別荘に来た気がしないでしょう。そうだとすると旧軽井沢周辺のようなところはステータスとして購入する場合は別にして避けた方が良いかもしれません。まあ,人が来ない真冬の軽井沢は別格の良さがありますが(笑)。

・じっくり探す

場所選びは1年以上かけ,候補に挙げたところは季節を代えて(荒天や冬など)調査した方が良いでしょう。別荘を見て回っていたときが最も楽しかったという人が多いですね。

・インターネットサイトを参照すること

当該別荘地の持ち主,特に定住者が良い,のインターネットサイト(例えば,八ヶ岳周辺那須高原軽井沢(ちょっと古いが面白い))に中々参考になる情報が載っています。

4 場所の選定(ミクロ)

・敷地面積

別荘地の売り出し価格を不動産業者のインターネットサイトを巡っていればそのうち分かりますが,小さい敷地(200坪未満など)の別荘地の価格は高くありません。都会の感覚でいうとえらく安い。
これは簡単な話で,一区画が50坪程度の別荘地に隙間なく家(別荘建物)が建っていることを想像してみてください。そう,別荘地ではなくなってしまいますね。窓を開けると森や木ではなく隣家の壁だったになってしまいます。
最低でも敷地は200坪以上が普通であるような別荘地を買いましょう。
軽井沢町のように最低敷地面積(300坪)を定めているところもあります。

・川の傍は避ける

小川でも川の脇は選ぶべきではありません。湿度が酷く,また,冬は底冷えがするからです。また,枯れ川(水のない川)と言っても山の川ですから大雨が降った場合などはあっというまに増水します。また,枯れ川でも河川法上の河川であれば,その上は何にも利用できません。敷地と道路が川に遮られていれば接道義務を満たすのも難しくなります。橋を架けるのも許可がいりますし,許可を得るのは非常に難しいのです。但し,大昔,依頼者が旧軽井沢の別荘を購入する際,売主が公道への主たる出入り口に使っていた橋が矢ヶ崎川(れっきとした一級河川です。)に架かっていたんですが,調べてみたら橋が河川法上の許可を得ていないことが分かったのです。ところが,町に聞いてみたら,「あの橋は明治の頃,○○男爵が架けたものだから良いのだ。建築許可も出す。」と言われたことがありました(笑)。
なお,しばしば鉄砲水が来る様な場所は,登山を良くする人間にはぴんときますが,そこは扇状地になっていませんか。地図を見てください。周辺を見渡してください。高い木がなく草もまばらというところは何を意味するでしょう。
なるべく詳細な地図を見ればなんとなく分かります。←地図を見ることに疎い方には少し無責任かな発言か(笑)。
土砂災害防止法(土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律)により,土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域の指定については充実してきたようですから,地形を見て,宅建業者の説明に不審を覚えたら,市町村役場に聞きに行きましょう。
明治43年の集中豪雨のようなもの(例:軽井沢の旧三笠ホテルが流されたこともあった)が関東周辺の別荘地でも将来多数発生するような気がします。

・風はどうか

風が吹き抜ける様な土地も良くありません。山の風は猛烈に強いのです。台風の時などは立木が倒れることがあります。倒木と言えば,別荘の周りに唐松の高木がたくさんあるところは危ない。唐松は根張りが深くなく倒れ易いのです。また,大きくなるのが早く,伐採には結構な費用が掛かります。
これはミクロ関連ではありませんが,八ヶ岳の東側から甲府盆地の方へかけて,冬の間,八ヶ岳颪という強烈な寒風が吹くことがあります。すごい風です。宮澤賢治を思い出させる風の吹き渡りは爽快な気分にさせますが,猛烈に強くて寒いことは間違いがない。

・周りに怖そうな急斜面や山がありませんか。

別荘地(高原)では大雨になることはしばしばあり,それは鉄砲水や山崩れの危険に繋がります。平野なら崖条例(ある例)がありそうなところでも別荘地(山)にはないのです。

・場所の高低(ロケーション)

大きな別荘団地では,低い場所よりは高い場所の方が過ごしやすいでしょう。また,山の位置や斜面の具合によっては日が入るのが遅かったり,日が陰るのが早いところがあります。これらは木立の中の別荘地でも住みやすさに結構な影響があります。コンパスと地図を持参して別荘探しをしてください(笑)。

・降雪量や除雪

冬は敷地前の道路が除雪されるかも確認してください。また,前面道路があまり急な坂道だとスタッドレスタイヤでも登れるか考えてみてください。降雪量がたいしたことがない地域でも,高所ですから道路はアイスバンーンになるでしょう。そんな急坂は別荘地には多いものです。温暖化の影響で,軽井沢は最近2月頃でも雨が降るときがあります。雨はともかく雨の降った後に雪が降ると最悪,路面はアイスバーンになった上に雪が積もっている状態となります。だいぶ前のそんなある日,スキーやスケートもする徒歩の私ですらつるつる滑って危険でした。その時は,バスやタクシー(軽井沢のタクシーは四駆ではなかったのです。)も坂を上がれない状態になったことを経験したことがあります。
別荘地には,冬の間,別荘地に至るまでの道路が閉鎖されて行けないところもあるようです。車を乗り捨ててスキーで行くのが楽しい人以外は不適でしょう(笑)。

・家の周りに高木がどの程度あるか。根張りはどうか。

山の高木は倒れ易いのです。例えば,軽井沢などではしばしば台風による倒木が発生します。上に述べたように伐採や後始末には相当な費用がかかります。

・周りは会社の保養所が多いか少ないか

会社の保養所などが多いと,夏などは結構人が蝟集して花火とか人声などの喧噪が生じてうるさく別荘地らしからぬことになります。

・近くに牧場はないか。

高原には,牛などを放牧するところが結構あります。そういうところを,秋に紅葉がきれいだという1点で手に入れると,翌春に牛の落とし物の臭いに悩ませられることになります。井戸水の水質も気になりますね。
また,結構,高級別荘地で有名なところでも,麓から別荘地までの途中がずーと畑だったりすると春先は別荘まではさすがに臭いは届かなくても,途中が臭いからなんだか興ざめな気分になりませんか(例:原村,菅平)。

・開発業者は今どうなっているか

開発業者がどうなっているかも確認してください。倒産に瀕しているような業者だと売れ残りの別荘地がどんなところに渡るか分かったものじゃありません。別荘団地の真ん中に遊園地など場違いなものがあるようなところはそういう場合です。

・管理されている別荘地かそうでないか。

現地に管理事務所があって管理されている別荘地は泥棒(別荘泥という。)の心配も少なく,急病人などが出た場合や,ストーブやトイレが壊れたなど設備不良による急な不都合が生じた場合や熊が出たという場合(軽井沢は結構町中に熊や猿が出没します。)は安心です。但し,管理料の支払いなどがありますが。

また,管理されている別荘地では,大抵の場合,水道や電気を引くのは簡単です。但し,原村(長野県諏訪郡)のある場所のように井戸を購入者が掘らなくてはならないところがあります。

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                                            <井戸掘らなくっちゃ>

 ・所有権か借地か

別荘地が借地というのは珍しい部類になりますが,これも割り切り方かもしれませんし,これと決めた土地が借地しかないということもあります。ただ,借地の場合だと地代が発生します。もっと地方公共団体が所有しているような優良別荘地の中には,地代(=実質上の管理費)は法律上当然発生し,借地人が交代しても地代支払を強制できますから,所有権別荘より管理が良好なところもあるようです。但し,どうしても借地権の方が所有権よりいろいろ制約がありますが考え方次第です。
ちなみに,軽井沢のように明治の頃に開かれた別荘地の土地登記簿を見ていると99年間の地上権者(999年間の地上権設定登記もありました。)が外国人という登記を見かけます。そう,明治の頃は,外国人が土地を所有することが許されていなかったのです。

・管理が悪い別荘地

これは簡単にゴーストタウン化します。現地に行って,既存の別荘建物の様子を見てください。軒が垂れ下がったり,木造の階段が崩れたりしている建物の割合を見てください。かつてこんな建物が間近に並んでいる別荘団地を見たことがあります(ここはまだ良い方)が,お化け別荘が連なっているのはなかなかの迫力がありました(笑)。

・そう遠くないところに食材などを購入できる店があるか。

店があまりにも遠いと,ちょっと香辛料や食材がないことに気づいても買いに行こうという気がなくなります。但し,直ぐ近くにコンビニがあったりすると,それはそれで雰囲気ぶち壊しだとも思うものです(笑)。もっとも,別荘を購入してしばらくすると,あそこの肉が旨いがここは駄目だとか言って食材は結構遠出して買い漁るようになります(笑)。宅配は,全国どんな辺鄙な別荘地でも行くのでしょうか。

・交通の便は

これも難しい問題ですが,バス停が遠いと来客を迎えに行かなくてはならない場合がありますし,歳を取って車の運転ができなくなったらば,タクシーを利用するか若い者が運転する車に乗せてもらうしかありません。但し,バス停があまりに近くにあるという別荘地も雰囲気が台無しになりますね。大規模別荘団地の中には,夏の間,専用バスを走らせているようなところもあります。

・自分で建てるか,新築を買うか,中古を買うか。

有名な別荘地での建築の相場が大体そうなのですが新築するなり新築を買うなり,間違いなく下界のそれと比べて相当割高です。かといって寒冷地の建築に慣れていない平地の建設業者に別荘を建築させるととんでもないことになります。それなりに寒冷地の建築にはノウハウが必要なのです。但し,それを割り引いても高いと思いますが,競争があまりないので,又は軽井沢のように歴史的所産からそうなってしまうのです。
中古別荘の方がはるかに安い(敷地面積,建物が古いか新しいかなどによりますが)のですが,管理が余り良くないと先に述べたような湿度などの影響で経年劣化の程度が酷くなり補修に相当費用が掛かります。

・公図はまったく当てにできません。

軽井沢の公図写には「現地と違うゾ」という旨のゴム印が押されています(笑)。境界石も入っていない別荘地もあります。土地が安いからいいのでしょうか。
まあ,まともなディベロッパーならきちんとした測量図を作っていると思います。

・建築協定

建築協定は,かっては都市計画区域にしかない制度でしたので,開発業者が別荘環境の保全のためにそのような方策が取れていないために,例えば別荘地の中に,採石場や材料置き場になっていたり,隣の別荘が突然ペット用ペンションになったりする別荘地があります。気を付けましょう。地方公共団体の中には,大規模別荘地用の条例を設けている場合もありますが。

・ゴルフ場,スキー場又は貸し農園等は近くにあるか。

これも好みの問題ですね。但し,どれもそのうち飽きます。我が家(別荘)でゴロゴロして,飯時だけ頑張るというのが正しい別荘生活のあり方です(笑)。

・温泉付きの別荘

温泉付きの別荘は,まず別荘地自体高価ですし,温泉利用権の対価が別荘の対価とは別途となっている場合もあります。利用も期間が限定されていてその期間が経過すると更新料を払うような契約となっているものも多いようです。また,温泉付きと言っても温泉水は無料ではないことがほとんどです(従量制や毎月定額払いの場合などがあります。)。また,遠いところから温泉を引いてくるものを含め温泉用の配管が温泉のスケールを原因として割と短期間で取り替える必要がありますので,そういう意味で維持費も高くなります。
また,相当遠いところから配湯されますから結構ぬるい又は冷たい温泉水しか配給されません。
ちなみに,温泉の多いところの地元の人間にうらやましいと声を掛けると,自宅の風呂(温泉でない)が一番だみたいなことを言い返されます。結局,温泉も飽きがくるということですね。温泉付きの別荘地があるということは周辺にたくさんの温泉があることを意味しているでしょうから,別荘に来たら車を使って温泉巡りをするということで十分ではないかとも。と言いながら,実は,温泉巡りもそのうち飽きます(笑)。

3 購入資金(別荘の担保価値)

別荘地は,軽井沢など一部の土地を除き資産価値はありません。ですから,金融機関も別荘の購入資金は,その別荘を担保にしては貸してくれないのがほとんではないかと思います。かつて地元の小さいな金融機関が担保に取っている別荘の不動産登記簿を見たことがありますが例外でしょう。

4 競売物件

別荘を競売手続を利用して購入するのもあまり賢くはないかもしれません。別荘地の競売の売却基準価格はほぼまちがいなく落札価格の目安にならなく,競売物件は格安で買えるという一般論が通じません。競落者はほぼ売却基準価格の何倍か(時価に近い?)で落札しているようです。また,競売物件は放置された建物が多く,先に述べたとおり,放置された別荘建物は痛みが酷い場合が多いうえ,民事執行法上の内覧手続も簡易なものではなく,建物の傷み具合は,執行官や評価人(不動産鑑定士)が短時間見分したことに基き書かれた物件明細書や不動産評価書の記載による他はなく十分なものとは言えないからです。それでもという方はお手伝いいたしましょう。
但し,別荘の競売物件の利点は,占有屋の存在など執行妨害的な要素が少ないということでしょうか。

5 中古別荘

上に述べたとおり,管理が悪いと別荘は痛みが甚だしいですから十分に気を付けましょう。また,暖かい下界の住民(避暑地の購入者のほとんどがそうでしょう)では分からない点もあります。
下界の建物とは異なる問題点として,次の様な点を仲介業者に確認しておきましょう。

(1) 電気(通電する水道管の凍結防止帯のため驚くほど基本料金が高い場合がある。),ガス(プロパンガス利用が多い。),上下水道(水道料は別荘所有者には高いのが普通。例:群馬県長野原の別荘地の水道料金。下水は浄化槽処理が普通)などライフラインは使えるか。修理費用はいくらか。

(2) 浄化槽は正常に機能しているか
浄化槽は,嘗ては屎尿だけを処理するもの(単独処理浄化槽)も雑排水も処理するもの(合併処理浄化槽)の双方ともが合法でしたが,平成13年4月1日以降は,合併処理浄化槽だけが浄化槽とされ,その余の浄化槽(屎尿のみを処理するものなど)は,新設を禁止されました(浄化槽法)。但し,上記施行日に既に在った既存の屎尿のみを処理するもの(同法上は,「既存単独処理浄化槽」と名付けられました。)であっても存続は許されております。浄化槽の耐用年数は30年を超えるのが普通のようですが,それより古いものが使われている中古別荘の場合には,購入後,さほど経っていないのに浄化槽の寿命が来る場合もあり得ますが,その場合には合併処理浄化槽を新設しなくてはなりませんし,古い浄化槽の処分費用も掛かります。この辺りも注意が必要です。

(3) 前の持ち主はどの程度の頻度で使っていたのか。

(4) 水道管の凍結防止帯は直ぐ取り替えなくてはならないのか。これは10年くらいで寿命がくるそうです。小さな別荘でも全部を交換するには10万円を超える費用を要するようです。但し,最近の別荘では凍結防止帯を不要としている構造のものもあります。

(5) 煙突(2重煙突はストーブ本体より高価です。)を含めた薪ストーブ,外置きタンク(内側から錆びやすい)及び給油管を含めた石油ストーブ(1時間当たり灯油1リットルを費消するくらいのFF式ストーブでないと寒い),給湯器(減衰弁や安全弁も含め)や浄化槽の管理はきちんとされているか,寿命は後どのくらいか。別荘地を専門にしている仲介業者なら分かるはずです。なお,定期的な煙突掃除をしていない薪ストーブの煙突は煙道火災という極めて危険なものを孕みます。
容量にもよりますが,FFストーブは新品に交換すると工事費込みで15万円~,給湯器も容量によりますが,20万円~かかります(地元の工事業者の相場)。
なお,中古別荘で薪ストーブを売り物にする物件は気を付けた方が良いでしょう。薪ストーブはピンキリです。外国製の名の知られたストーブでも保守部品をも考慮すると寿命はそう長くありません。また,薪ストーブには必須な2重煙突が設置されているかどうかの区別が貴方には付きますか。また,薪は自分で割らない限り高いものにつきます。自分で割るというのは,正確には,近くの森林組合などで原木を安く買うか,不要な伐木を所有者にただでもらうかして,軽トラックで運び,玉割り(チェンソーで切る)し,動力薪割り機で割るということです。そして,1~2年かけて乾燥させるということです。ウヘーでしょう(笑)。それに,定期的に煙突掃除もしなくてはなりません。別荘の薪ストーブは「おまけ」程度に考えていた方が良いでしょう。
なお,言うまでもなく,エアコンは北海道では使えないように寒冷地の別荘地では暖房用としては使い物にはなりません。扇風機は温暖化の影響で使われるようになりました。情けない(笑)。

(6) 断熱性能
建物が真冬に来ても凍えない建て方をしているか(建築年,風除室の存在,基礎開口部が塞げるか,2重窓の存在,暖房設備の内容などで大凡の推定はできます。),それとも専ら避暑だけのための建築なのか。特に,畳の寝室は大勢の来客時には便利ですが,冬は畳が猛烈に冷たくなります。その冷凍機能付き畳の上に布団などを敷いて寝るのは困難です。畳部屋の床からの冷たさをどう制しているか尋ねておきましょう。

参考基準
「断熱等性能等級4」というものがありまして,これは,住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11年法律第81号)に基づく評価方法基準(平成13年国土交通省告示第1347号。以下「評価方法基準」という。)第5の5-1断熱等性能等に定められている等級4の基準です。但し,現行はもう少し異なるが一番「分かりやすい」というのは法律家しか通用しないか(笑)。これをじっくり見るとご自分の買われた建物の断熱性能の程度が分かります。築10年以上前の中古別荘には,現行基準の半分程度の断熱性能しかない(例えば,大型ストーブをガンガン焚いても寒いという場合は断熱材の厚みが半分しかないなどのことがあります。)などというのはざらにあります。寒さが耐えられない場合は,バールを持って壁や床を剥がしてみてください(笑)。

(7) 特に,冬に水が染みこんで凍り付くことによって崩壊が始まるコンクリート製の施設,例えば外階段などはどの程度に痛んでいるか。

(8) 「凍る」で思い出しましたが,高原の別荘地では,冬場,水が簡単に凍りますので風呂釜は凍ると壊れやすい沸かし直し機能が無く,トイレも同じくウィッシュレット機能がないという別荘建築が普通です。水道栓も不思議にも本体のハンドル以外に開閉栓のついているものがあります。これは冬の始まりにすべての水の在処から水を抜く(ずばり「水抜き」という。)ためのものです。ですから,以上は変な作りでもなく,安っぽい仕様でもありません。
良く見ると分かりますが,水道管も壁の内側ではなく,なるべく家の外側を走らせていることが分かります。また,あちこちに水抜き用のバルブもついていることも。これらは水抜きに失敗して(別荘所有者が良くやる失敗例です)凍り付いた水が配管を破壊しても簡単に修理ができるようにするためのものです。但し,最近の別荘建築では建物の内部に水の配管がされているようなものもあります。

(9) ログハウス
偶にしか行かない日本の別荘建築には,ログは合わないような気がします。ログハウスは,当然,太い丸太を全面的に使うものですから冬に行くと冷たい丸太に囲まれた部屋を暖めるには相当な時間がかかります。家が暖まった頃に帰るということになりかねません。もっともログハウスの蓄熱効果の高さは定住する場合にはありがたい点になります。また,日本の別荘地のように湿度の高いところですと偶にしか行かないログは簡単にかびます。防かび剤塗装など定期的なログの管理が欠かせません。自分でするからかまわない?私も結構日曜大工はする方ですので気持ちは良く分かりますが別荘の地面は砂地やごろごろした岩場の場合が多く梯子を架けるには足場が良くありません。かつ,ログ作りの常として地盤より相当高い部分があったりします。それに足下が危ない年齢になったらどうしますか。一度,カビの生えたログハウスを見てください。薄汚いですよ(笑)。ログは平地で空気の乾燥している北欧こそ似合いますね。それでもと言うならお止めはしません。

(10) 床面積
別荘をステータスにするなら格別,あまり大きな建物は別荘としては相応しくないでしょう。管理人に事前に連絡しておいてなんでもやってもらうというお金持ち(中軽井沢に巨大な別荘を建てているビル・ゲイツのごとし)ならともかく,大きな建物だと行ってうんざりするほど掃除をして過ごすことになり,冬に行くと家が暖まるまで相当な時間がかかるということになります。床面積はほどほどにしましょう。我が敬愛する建築家,吉村順三氏が著した「小さな森の家―軽井沢山荘物語」に示されている位の建物面積(図面はここ)が理想でしょうか。但し,この吉村が作った建物を真似ろと言うものでは決してありません。こういう天才の作った独創的なものは真似るのは難しいのです。また,かつてはお手伝いさん用の寝室があったくらいの時代離れした建物ですし,1階の外向け暖炉は才能豊かな音楽家である配偶者を前提にしていますから(笑)。

(11) 露天風呂付き,サウナ風呂付き
中古別荘にそうあるものではありませんが,いずれも直ぐ飽きますというか,管理が面倒になり汚れます(笑)。

6 ランニングコストはどのくらいかかるか。
小さな別荘でも,電気代,上下水道料金,別荘管理費及び税金等の固定費だけで年間20~30万円はかかるでしょう。

7 管理された別荘地ではないところに別荘を建てるのはどうか
別荘地として造られたものでないところに別荘を作るのは非常に面白いと思いますが,まず,土地の探しようがなく,また,不便なことも相当あります。
昔,南会津の鄙びな山の温泉(湯ノ花温泉木賊温泉)から林道を遡った付近で別荘地を探したことがありますが,そんな田舎ですから不動産情報がまったくなく,まず,売り物が見当たりません。村(在りし日の舘岩村)に尋ねてみましたが,満足に相手にしてくれません。今は過疎地対策もしているでしょうから少しは違うのかもしれませんが,これは自然は豊かだが過疎で困っている地方公共団体には大きな声で言いたいところです。
そもそも,定住用土地と別荘地に相応しいロケーションは当然異なるので,別荘に相応しい土地を見つけるが大問題ですし,適地を見つけたとしても山間部の公図はあてになりませんからその土地の持ち主を探すのも大変でしょう。仮に,土地を購入できても,その後の整地や井戸掘りまで,電気を引くのも,下手をすると道路付けまで全部自前でやらなくてはなりません。別荘を建てた後も管理のために地元の人に依頼をしなくてはならないでしょう(別荘泥対策にも必須)し,そうなると面倒な人付き合いもしなくてはなりません。また,普段は誰もいませんから荷物を宅配便でぽんぽん送りつけることもできません。また,修理も全部自分で手配しなくてはなりません。山奥の別荘の修理に修理業者が直ぐ来てくれるとも思えませんし,日常的に必要となるプロパンガスや灯油の手配も同様です。前面道路が除雪されるかも確認しておかなくてはなりません。大変だと思います。
でも粗末な山小屋を作ったと考えれば一興ですね。別荘泥の興味を引かないような,そして修理も簡単な平家建ての建物(但し,断熱だけは目立たないように完璧なものにする)にする。針葉樹でも燃やせる薪ストーブ(カラマツストーブPcan ストーブ)などを置き,五右衛門風呂を作って,市販燃料に頼らない生活をする。薪は自分で作る(エンジン付きのチェーンソウと薪割り機が必要です。)。電気は最小限の需要を自家発電で賄う。テレビや音響機器は使わない(電気がなけりゃ使えない)。冷蔵庫もオーブンもレンジもない。掃除はほうきと雑巾でするというか滅多に掃除はしない(笑)。季節外れでもない限り野菜は自家又は貸し農園で栽培する。スマホなどは決して使わない(そも圏外か)。除雪が間に合わない時は車を乗り捨ててスノーシューで別荘に向かう。
そして,軽トラックを購入し地元のナンバーを取得し普段はこれを使い,また,農作業や林業従事者の格好をして地元の人間になりすます(笑)。そのうち変わり者で村で名が通り,地元の人と仲良くなる。そして引退後も別荘(別荘とは言わない粗末な自宅になる)で生活し地元民となり,温泉が近くにあっても自宅の五右衛門風呂の方が「なんぼかええ」と言い,そこで惚けてあるいは振る舞われた濁酒に酔って雪道で迷い野たれ死ぬというのは極めて幸せな生涯じゃないですか(笑)。