「山と水」なる題でつまらない駄文を書いたことがある。こんな感じである。
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「山の水はうまいものだ」というような先入感があるが,必ずしもそうではない。
まあ,東京あたりで普段飲んでいる(飲まされている)水道水に比べりゃ,そりゃ,どこの山の水もうまいに決まってるが。
私の行った北海道から九州の山の中で最もうまいと思った湧き水は,甲府盆地の北西から南アルプスの北部,そうサントリーの白州のウイスキー工場の周辺の水が最もうまいといえる。
甘い味がする。水割りにすると当然うまい。でも余計な「気違い水」をいれることすらもったいない気がする。そのままが最もうまい。
だが,南アルプス山系ならどこでも,同じだとは言えぬ。
甲府盆地でも南の富士山塊はあまり旨くなく,奥秩父山塊辺の水はたいしたことはない。
また,例えば,尾瀬のような池沼など水がたまりやすい土質の多い山系(奥利根)の水はどちらかというとまずい方になる。
逆に,北アルプスのように岩場ばかりの山塊も上から降った雨水がそのまま湧き水に出てくるというか,甘いとか旨いとかの味わいがなく,極めて淡泊というか,雨水をそのまま飲んでいるような味がする。
もちろん,火山系山塊の水はまずい。
甲州のさらに田舎の白州などに行かれる場合は飲んでみられたい。水道水でもかなりおいしいものである。
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これに付け加えると,平地で旨い水は,魚野川周辺の水がそう。但し,この辺も地下水ではなく川の水を水道水にしてしまったようで,憤慨していた知人がいた。
で,成田周辺または自宅から成田へ向かう道すがら湧き水を探してみた。
□ 瀬戸の湧き水
これは,探すまでもなく,バイクで走り回っていた頃発見した湧き水で,印旛沼公園(PC用サイトの表紙の写真撮影の場所がそう。師戸城趾はこの公園の別名である。)から向かって一本松機場の近くにある。
ロケーションはご覧のとおり優れている。また,冷たくて夏場などは大変ありがたいが,周辺は田圃である。そう,奥利根山系と同様,残念ながらそう旨くはないのである。
□ 不動の大井戸
これまた探すまでもなく,我が事務所の近くにあった。成田の地元では周知だろうが,あの「なごみの米屋」の工場の敷地から湧いている水である。工場敷地の湧き水などというと興ざめの感もあるが,ほんとはなかなか由緒のある「お水」のようだ。
これは非常に甘く感ずる旨い水である。一押しである。但し,成田山の参道の傍らにあるから,常時,水を汲む人がいるので並ばなくてはならないことが多い。
□ 長寿水
と命名された湧き水にも行ってみた。我が事務所から車で10数分と少しある。成田駅から太平洋クラブ成田コースを目的地にしてナビを使うと,「ペットホテルアイランド成田空港」の少し先,同ゴルフ場入り口の約500m手前にあった。成田山入口交差点からイオンタウン成田富里店の敷地の北側に接する道から入る。グーグルビューからも見ることが出来る。但し,まずい水ではないが残念ながら「不動の大井戸」には及ばない。
なお,インタネットで検索してみると,現在もその存在が窺われる湧き水が,いくつかあるようだ。そのうち行ってみようと思う。