1899年1月7日 – 1963年1月30日
17世紀から20世紀に戻って来ました(笑)。
C’est ainsi que tu es
Elly Ameling
アメリンクの歌うこの曲が最高に良い。但し,何故か youtube ではたくさんとは言いがたい人数しか聞いていない。不思議です。尤も,「貴方っていつもこんな風」という女から男へ歌いかけるイメージが,プーランクだと男から男への可能性があるからという恐ろしいイメージのせいなのか(苦笑)。なお,この記載は性同一性障害者の方々を貶めるものではありません(笑)。
若い頃のプーランクは完全な「のんけ」だったそうですが,死ぬほど惚れていた娘が若死にしてから彼はおかしくなったようです。お気の毒すぎる。
宗教曲が多いのもそのせいかと。
そのせいかどうか分かりませんが,彼の曲は,一方でめちゃくちゃ美しいメロディを持っているものか,他方では躁病病み,はたまたフレンチカンカンの伴奏かなというような趣味悪い!(彼自身も「素敵で悪趣味の音楽」と形容していますし。)といいたくなるような曲のアラベスクです。また,正統な作曲技法を学び損なったせいか,曲の途中で違和感のある転調をしたりもあります。
でも,その性的指向はともかく(苦笑)大好きですね。
Karina Gauvin の歌も良い。
彼女の歌うこの艶なる宴(Fête Galante)というアルバムは良い出来です。但し,1曲目は酷すぎです。piano がグズグズ。それにゲネプロをしたのかと思わせる出来です。
Stéphane Jamin, piano
うーんいいな。これがプーランクにとってはぴったりの歌手になるのかも。 フランス人らしく,”どう,これが仏蘭西人の r の発音よ”というように嫌らしく(笑)巻き舌のフランス語を発音する。piano も旨い。
それになんとなくビッチと謗られそうなくらいコケトリーなところ(日本語だと婀娜っぽい)がなんとも言えず良い。 日本語では小股の切れ上がったとも形容するのかな。そちらの方面には疎いので(´▽`)ノこの辺で。
彼女の演奏を褒めています。お間違えのないように(笑)
Melancolie, FP 105
Pascal Roge
1899年生まれの彼が,臆面もなく,こういう piano 曲が書けるなんぞは。
但し,私はこの曲に甘美な死への誘惑と名前を付けているんですが。
Novelette n. 3 in E minor
これもそうか。
Improvisation n. 13 in A minor
これもそうだ。
Improvisation 15 Hommage a Edith Piaf;
こいつは有名すぎるが,弾き手が替わる(Gila Goldstein)と妖艶なものに(笑) Gila の鐘を鳴らすように響かせる低音のタッチとペダル使いがなんともいえなく良いでしょう?
それに,piano については家業で人足として多数の運搬をしましたが(^^),楽器そのものは詳しくありません。でも,音を聞く限りでは,この STEINWAY & SONS の出来は相当に良いと思われますね。
おっと,Gila は,私の好きな Mompou も弾いてますね。但し,Gila の弾く Bach には勘弁してほしいところがあるのですが(^^;)。きっと,演奏しているときの手,指の動きを美しく見せようとする,音楽と関係のない余分な動きが,Bach を弾く上でお邪魔虫になっているだと思うのです。なお,モンポウが作曲家を目指したのはフォーレの曲に惹かれたから,そして,モンポウの曲をプーランクは激賞したこともあるのでそれぞれ似たところがあるのでしょう。
Nocturne n. 1 in C major
プーランクにしては,歪みの少ない突き抜けた明るさがこの曲にはある。夢で亡くなった恋人に会えたかのような。
もちろん笛吹きにはこの曲がありますし。
Sonata for Flute and Piano
Michel Debost (flute), Jacques Fevrier (piano)
私もだいぶ頑張ったのですが最終楽章が手に負えない(笑)。と,他の楽章が完璧にできたわけでもないのに(笑)。2楽章が指を回すという観点からは易しいのですが,美しく弾くと言う点では難曲の極みです。
葦笛にはこれがありますね。紛れもなくプーランクは木管楽器の恩人です。
Clarinet Sonata
Narek Arutyunian 15才!
Alyona Kolesnikova, piano.
第Ⅱ楽章ロマンザの美しいことと言ったら比類もない。
この曲とPaul Meyer,pf Éric Le Sageの演奏するclarinet sonata saint saens のおかげで,もう少しでクラリネットを買いかけた(笑)。
もう一曲笛の曲を
Elégie
Anders Paulsson (soprano saxophone)
Magnus Svensson (piano)
珍しいがソプラノサキソフォーンの名曲だ。
Les Chemins de l’amour
Angela Gheorghiu
オペラ歌手はあんまり好きじゃないが,このルーマニア出身の美人の歌もいいし(笑)。誰でも知っているこの曲は説明不要ですね。
あらゆる楽器にアレンジされているんじゃないかな。
Hotel
Sarah Champion
余り有名ではありませんが,プーランクらしいきれいで蠱惑的な曲です。
サラの歌が凄く良い。
サラの↓の曲も聴けばお分かりの通り才能ある若手です。
In der Fremde (Liederkreis Op.39, Schumann)
「そして私を知る人は ここにももはや誰もいない。」やはり,シューマンもいいな(笑)。ちなみに,この曲の6小節の3泊目の b# を上手く歌わせる pianist が非常に少ないのは何故でしょうか。シューマンがそれまでのアルペジオの流れと異なりわざわざ二分音符で書いているのに。演奏スピードには違和感がありますが,Ameling/Demus のペアは,さすがですね。
Sanglots (Banalités)
歌手:Gérard Souzay
piano: Baldwin
なかなかな曲です。ホテルと同じ曲集にありますね。
Montparnasse / Hyde Park
Raquel Camarinha(vocal)
Yoan Héreau(p)
悪くない。
Fleurs Fiancailles pour rire
Arleen Auger
Dalton Baldwin
アリーンは日本ではあまり知られていませんが,ボールドウィンが piano を弾いていることから分かるように才能あるリリカルな曲を好んで歌うボーカルでした。私の好きな歌い手ですね。
彼女の歌う ↓ R.Strausの 曲も大好きです。ピアノ弾きもたぐいまれないい才能です。隅から隅まで細やかな神経が届いている演奏です。
Morgen Richard Strauss
また,Love songs/Arleen Auger というCDを出版していますが,この音楽オタクの私(笑)ですらよく知らない曲(2曲しか知らなかった)ばかり。歌オタクにはお勧めです。彼女自身,歌のオタクなんでしょう。
Deux poèmes de Louis Aragon FP. 122
Karina Gauvin soprano
Marc-André Hamelin piano
私はそれほど好きではありませんが,これを挙げておかないと文句を言われるでしょうから(笑)。
Bleuet
Yann Beuron
この歌手のお陰で手持ちのCD中のFelicity Lott の歌うこの曲を再発見しました。歳を加えて感性が磨かれたか(笑)
Hanna-Elisabeth Müller(sopran)
Juliane Ruf(p)
“La Reine De Coeur” とはマザーグースの「ハートの女王」とは関係が無いかな。
詩とメロディに基づけば,むしろ死と官能の案内人を意味するのだろう。 そうするとプーランクの没入具合が分かる。
短い曲だが,プーランクらしい非常に美しく官能的な曲です。
ハンナは,その歌う速さ(めちゃ遅い & 身振り^^)が,この曲の美しさを際立たせるということを知っているところがすごい。私が,仏蘭西人の音楽フリークなら訛りの酷い独逸人(しかも女に!)に,自分の国の美姫を攫われたと言ってぶんぶん怒るでしょうね(笑)。ピアノ弾き Juliane Ruf も目立たないが非常に上手い。
ハンナは,自ら “Reine de Coeur is a personal anthology of favourite songs” と書いていますから,ここにも歌が大好きな歌オタクがいるようです(笑)。
プーランクには,死と官能(彼の場合これは同じものを意味するのでしょう。)に魅入られる傾向とそれに抗う本能的恐れが見え隠れします,というのがプーランクオタクの戯言です(笑)。
この演奏 死と官能とはまるで無縁な演奏だけど可愛い(笑)。
心配そうに伴奏しているのは,おとーちゃまか音楽の先生か(笑)
この二人姉妹でしょう,それとも年齢が違うが同一人かなとも思いましたが,背景(ヴァイオリンケース?,ティッシュの箱?積み重ねた楽譜?ets)はほぼ同じ,伴奏者の服も同じださいジャージ(笑),upの日も近いし,そろって最高音が苦しいよく似た姉妹でしょう。そうすると伴奏者は「おーとちゃま」の可能性が高いですかね(笑)。お顔も姉妹に似ているし。分からないのは人種民族か,ひょっとしてベトナム人?。これにて素人探偵はおしまい(笑)
La grenouillère, FP 96
Felicity Lott
Pascal Rogé
これも「聞かないCD」ラックに入っていたようだ(苦笑)
Aux Officiers de la Garde Blanche
プーランクの歌曲全集を持っているのでこれも聞いているはずだが,覚えがない。情けない。
Miroirs brûlants Tu vois le feu du soir FP 98
Elena Villalón vorcal
これも上記に同じか。でも,かすかに聞き覚えがある。寿命が押してきているのにこれでは世界中の名曲を聴き逃しているのと同じじゃないか(;_;)。
演奏者はキューバ系アメリカ人であちこちで賞ををかっさらっているような才能あふれる新人のようです。
確かに才があふれんばかりだね。でも貴方もオペラの歌手なんぞをやってはいけませんぞ。
Miroirs brûlants, FP 98: No. 1, Tu vois le feu du soir
by Jessye Norman
Irwin Gage(piano)
Dialogues Des Carmelites
オペラの類いは好きでないのでブログに載せていませんが,これは例外にしておきましょうか。プーランクは宗教曲を結構書いていますがこれもそのひとつです。フランス革命によってカトリック修道院の尼僧らが断頭台で全員処刑されたというグロテスクな史話から着想を得ています。
演技,演出に気を取られて音楽に気が向かないという希有な曲です(苦笑)。
STABAT MATER
Choir of Clare College, CAMBRIGE
Chor of Gonville&Caius College, CAMBRIGE
BBC Philarmonic Orchestre
スターバト・マーテルは,カトリックの聖歌であり,聖母マリアの悲しみをしのび、苦しみをともにするという歌詞の性格上,数多の西洋の音楽家が名曲(本当にそう)を作っていますが,プーランクのこれも名曲です。
というか,宗教曲のくせにこの変にロマンチックで官能的な響きはなんだろ(笑)。
もう一曲,宗教曲を
Ave Verum Corpus
Danish National Vocal Ensemble (2012)
Conducted by Stephen Layton
もう一曲、ア・カペラを
Salve Regina [FP 110, á 4
by Swedish Chamber Choir
譜面を見ていたらこの美しい曲が歌える気がしませんか?それこそプーランクマジック(笑)
うん?こっちの方 が上質かな(笑)。
とりあえず,こんなところで(笑)。