□ 木下牧子
高校生の合唱コンクールの課題曲などとさんざくさしながら別項にしてしまいました(笑)。
さびしいカシの木
Brilliant Harmony
松下耕(指導)
これがよく知られた曲ですね。ある年の暮れ,飲み屋でカラオケを漁りましたが見つからなかった(苦笑)。
この↓演奏も好みだ。
足利真貴
私はどうやらアニメ声も好きらしい。我ながら驚いた(笑)
The spruce
Sibelius
Hanna-Mari Zinovjev, piano
樫の木と言われると樅を歌ったこの曲を思い浮かべてしまうのは私だけではないだろう。
指を回すのはそう難しくないが,極めて繊細な曲であるから弾き手によってはお話にならない曲になる。よい演奏を探すのに苦労したがこの辺りで妥協するか。
ピアノ曲と合唱曲との違いはあるが,我が国の作曲者にももう少し期待しよう。
舘野泉の演奏もかなりよい。
悲しみのようにひそかに
岸信介(指揮)
小原孝(ピアノ)
東京ウィメンズ・コーラル・ソサエティ
じわじわ良さが染みこんでくる曲だ。ピアノパートが良いな。「カシの木」よりずいぶん和音が豊かになっているし。木下ワールドにようこそ(笑)。でも,音楽オタクにはもう少し何かが足りない。高校生の合唱コンクールの課題曲のような曲が多すぎる(笑)。
JCA National Choral Competiton
「高校生」の合唱コンクールの課題曲だなんて失礼なことを言ってしまった。今時の高校生はかなりなレベルだね。
カワイの譜を入手した。ギター伴奏の独唱に編曲できないかと,でも♭4つでは面倒ですね(笑)。ところでEmily Dickinson の詩には毛虫をベルベットに例えるものがありましたが,洋の東西を問わず,毛虫が好きという女人がいるようです。ウウウ\(T_T)
おんがく
演奏:当間修一(指揮)
大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団
悲しみのようにひそかにと同系統の曲ですね。
この合唱団はかなりうまい。
夢みたものは
指揮:清水 昭
【出演合唱団】
合唱団ひぐらし/混声合唱団 鈴優会/N.F.レディースシンガーズ/信州大学グリークラブ・しなのコラリアーず/ラ・カンパネラ/女声合唱団クール・ミルフィーユ/日本音楽高等学校/男声合唱団TOKEI
「悲しみのように」と同系の曲だが,ア・カペラの曲だが大変な数のファンがいますね。コンクール常連曲のようだ。
この演奏もよいな
soprano 松下悦子
Pf 土居知子
声量はないかもしれないが,素晴らしい表現だ。 p も目立たないが素晴らしい。両者とも激賞に値します(笑)。と,なんちぇって評論家に言われても嬉しくはないか(笑)。CD「太陽は空の中心にかかる〜木下牧子歌曲集」は作曲者の個性的な曲をこの二人が演奏している。俗受けはしないと思うが,良いできだな。
夜明けがいつ訪れるかを知らぬばかりに
当間修一(指揮)
木下亜子(ピアノ)
女声合唱団「ゆい」
“悲しみのように”と同系の曲ですね。
この合唱団もうまいな。
悲しみの枝に咲く夢
[指揮]甲田潤
[ピアノ]東由輝子
[合唱]Chor June
これも「夜薔薇」と同系の曲で優れた私好みの曲ですね。
但し,この優れた3曲でも調性を安定させようとすると合唱コンクール課題曲になる癖が出てしまう(笑)。安定のさせかただね(エヘン)。
ピアノ弾きが疑いようもなくうまい。歌の伴奏というと軽んずる愚か者がいるが違う。こういう合わせモノを得意とするピアニストが世界的に少ない。
「悲しみの枝に咲く夢」大手拓次
こひびとよ、こひびとよ、
あなたの呼吸は
わたしの耳に青玉の耳かざりをつけました。
わたしは耳がかゆくなりました。
こひびとよ、こひびとよ、
あなたの眼が星のやうにきれいだつたので、
わたしはいくつもいくつもひろつてゆきました。
さうして、わたしはあなたの眼をいつぱい胸にためてしまひました。
この多産(作詩は2400首に上るという。)の詩人をぼろくそに言う評論家もいるが,歌の歌詞としては悪くない。但し,何かが足りない。ひねり=昇華が足りないのだ。こんな感じで2400首の詩を読まされるのはかなわない。と言いつつⅠ冊詩集を入手してしまった(笑)
酒飲みの友人がこういう詩人だったら面白いのだが。
夜の薔薇
野崎由美(ソプラノ)
小原 孝(ピアノ)
文句のない傑作だろう。高音部に煌めくピアノのアルペジオがすばらしい。対位法を使った女声合唱編曲版の方が優れていると思うが youtube up がない。おっ,あった(笑)。
この曲がカップリングされた”KINOSHITA Makiko Works for Women’s Voice” の合唱団である東京ウィメンズ・コーラル・ソサエティは選りすぐりの歌手で構成された合唱団のようだがそれでもこの曲の演奏をするには少し力不足を感ずる。声に厚みが足りないし。なお,この歌曲版の演奏はかなりよい。但し,詩は凡庸だ。題だって「薔薇の夜」とか「薔薇に寄り添う夜」とするだけでも趣が違ってくるのに。
夜の薔薇
やはらかに
ひとつのたまのやうにしづまり、
おまへは ふかいさかづきのおもひをかもしてゐる。
なんといふ美しいおまへのくちびるだらう。
絹のやうにつめたく、
ふくらみのあるおもたさ、
さうして こころもちゆらゆらするやうに
かげをひきながらしづんでゐる。
これが夜薔薇の詩ですが。うーん。
詩集も拾い読みしてみましたが,やはり高得点はあげられないような。
センスはそれほど悪くないと思うが,えいやという詩が多すぎる。
それでもこの曲とともに永く生き延びるでしょう。詩人の魂よ永遠なれ(笑)。
でも,どうしてこういう歌曲がそう受けないのか。
えーと,それと我が国の歌手の体格の問題もあるな。声量がなく声に深みもない原因だね。50年後,100年後を待つしかない?
なお,作曲者は,この曲をモチーフにしたピアノ3重奏曲を書くべきだ(笑)
我が国の合唱曲の作曲家が気の毒になるね。
器楽曲であれば,譜さえやればよいのだから制約は少ない。
しかるに,歌は日本語という制約があるから,世界に打って出るには合唱団から鍛えるという絶望そのもの世界になってしまう。
まあ,そもそも日本でヨーロッパ音楽をやる以上当たり前か。
と書いてきたが,この人たち(安田女子大学合唱研究会VIVID NOVA)大学生にしてはめちゃうまいんですが。
雨 – 光と風をつれて
詩:工藤直子
youtube に演奏者の表示がない。この辺は情けない。
曲はかなりよい。但し,この曲の演奏についてはベストといい難いものが多い(素人の演奏が多すぎる)。
詩人も,彼女のいつもの童謡ぽい調べでなく雨と心の中の音楽を歌っている感じで良いのに。
北海道教育大学混声合唱団
↑これか↓これが今のところベストか。というかどちらもまだまだだ。せっかくの名曲なのに(>_<)。
信州大学混声合唱団
この演奏も良いが。但し,録音が。
北海道教育大学混声合唱団
この合唱団はかなりまとも。かなり練習した跡もある。でも,理想にはとどいていない。バスが重すぎる。
これら4団体の演奏を聴いていると,出だしがピタと決まっていない。長く伸ばす音程が定まらない,音価一杯に歌っていない。故に次の音が揃わない。うーん,これでも大学生の合唱団なんだが。ちゃんとした指導者に教わっているのか。西洋の学生合唱団のレベルには全然及んでいない。残念だが(T_T)。どうせ音大の合唱団のレベルもそう変わるまい。ため息
Henry Purcell, Funeral Sentences
Vox Luminis
Zsuzsi Toth, Helen Cassano
Barnabas Hegyi, Jan Kullmann
Olivier Berten, Robert Buckland
Lionel Meunier, Bertrand Delvaux
Jorge Escribano – Organ
やはり,石造りの教会とパイプオルガンが合唱発展の基礎ですかね。
こういう演奏を聴いてしまうと絶望しかない(笑)
ローラ・ビーチ 女声版
東京ウィメンズ・コーラル・ソサエティ
指揮:岸 信介
ピアノ:法嶋晶子
これもよいな。
この曲と「夜の薔薇」「悲しみにようにひそかに」がカップリングされている “KINOSHITA Makiko Works for Women’s Voice” は優れたアルバムです。
夕顔
歌唱 足利真貴
ピアノ 赤松林太郎
秋
岸 信介(指揮)
作曲者本人(ピアノ)
女声合唱団はづき
これも良い。抒情小曲集は,意欲作ですね。
うぐいす
Cond. 岸 信介
Pf. 法嶋晶子
東京ウィメンズ・コーラル・ソサエティ
近畿大学グリークラブ
このグループはかなり上手い。録音がそのうまさを引き出せていないのが残念だが。
上で日本の大学合唱団をぼろくそに言ったがこの演奏はいずれもその欠点が当てはまらない。
各声部がちゃんと歌っているし,主声部以外のパートが実に美しく主張している。
激賞です(笑)
録音さえ適切なら,この章の中のどのグループより上なんじゃないか。
是非とももっと難しい曲に挑戦されんことを望みます。
近くで演奏会があったらば聞きに行こうと思うくらいのレベルですね。
A flower remembered John Rutter
の彼女たちの演奏を The Cambridge Singers =作曲者自身が率いるプロの演奏と比べちゃ気の毒か(笑)。少し練習不足なのかもしれないし,メンバーも異なる? でもそう悪くはないゾ。でも双方とも深ーいバスが欲しいですね。
ラッターを知らない?wikiをどうぞ(笑)
Requiem
存命中の作曲家です。↑で有名です。異教徒を音楽の力で折伏する(天国的な音楽で)ような曲(笑)。1分40秒頃からラッター節が出てきます。1996年に,教会音楽への貢献を認められ、カンタベリー大主教からランベス音楽博士号(英語版)を授与されたという作曲者はこういう曲を書くんですね(笑)。既出の Marco Frisina の先輩格かな。
しじみ蝶
演奏:岸 信介(指揮)
木下牧子(ピアノ)
女声合唱団はづき
夢のなかの空
S.野崎由美
Pf.小原 孝
月の光に与えて
演奏:野崎由美(ソプラノ)
小原 孝(ピアノ)
これは美しい!
海と涙と私と
Vocal: 金子美香
Piano: 朴令鈴
この曲は合奏曲なのだ。独唱にすると少し物足りない。で,散々,探しまくったが感心するに足りる演奏がなかった。
それにこの曲を,皆,あっさりと演奏するがもっとねっとりと歌うと味が出ると思うな。
太陽は空の中心にかかる
S 松下悦子
Pf 土居知子
作曲者も色々の道を探っていると思われる。
その努力は買う,買うが。
大切なもの
山崎朋子作詞・作曲
木下牧子を超える高校生の合唱コンクールの課題曲もどきを発見した。これだけベタな卒業アルバム曲は珍しい(笑)。
同じ作曲者の曲を何曲かを聴きましたが皆同じパターンです。嵌まると心底心地よいのでしょうが(笑)。高校生や元高校生(笑)が凄い回数聴いています。
わが抒情詩
千原英喜 composer
by Chor OBANDES
耳に良い曲だし,演奏者は旨い。
でも,我が国には何故にこのように高校生のコンクールの課題曲みたいなものが多いのだろう。作曲者に我が国にはこの程度の曲で良いという想いがあるのであろうか。
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