□ Schubert

シューベルトの曲は,多分,私が物心ついて初めてレコードで聞いた Lied だろう。
SPレコードであった。父親が買った初めてのステレオに付録で付いてきたものだった。古い時代の話だ(笑)。夢中になった。
その後,中学生から高校生の頃にかけて,フィッシャーディスカウの歌う三部作(Die Schöne Müllerin, Op. 25 ,Schwanengesang ,Die Winterreise)をよく聞いていた。逆にそれ故か,その他の曲を聴く必要がないとばかりに聞き損なっていたのだ。なんたる損失(笑)。
但し,彼の書いた Lied は600曲を超えるから全部はシューベルトオタク以外には聞けるはずもない。

□ Lieder

以上のとおり,私が初めてクラシックのレコードによる音楽に触れたのはシューベルトのSPレコードである。ステレオの「付録」(笑)であった。
そして,すでに音楽オタクの片鱗のあった小学生はどっぷりつかってしまった。
シューベルトというとすぐこの SP を思い出す。
三部作はもちろんディスカウの演奏だ。

Ständchen
ありふれたと言うなかれ。
小学生の私が初めて歌った歌曲だ(笑)。SP レコードをバックに歌い陶酔していた(笑)。もちろん独逸語の歌詞の意味など分かりようはずもない。
なお,前から疑問に思っていた点がある。歌が入ってくる前の piano は,アルペジオの部分がスタッカーティシモであるが,歌が入るとこれが楽譜から消えている。
演奏者も歌が入った後もスタッカーティシモで演奏している者もあるが,スタッカーティシモが消えていることに素直に応じて演奏している者もいる。
初めからスタッカーティシモを無視しているピアノ演奏(ジェラルド ムーア)もある。
第一説は,歌が入った後も,スタッカーティシモは省略されているだけと考えているのだろうか。
どの説もきっと深い理解があるのだろう。
というよりどれが美しいか。私は,スタッカート気味に演奏すべきだと思う(第四説:笑)。

でも,現在,改めて彼の Lieder を聞くと震えるばかりの名曲ばかりだ。その後のロマン派のドイツ人で彼の域に達した者がどれだけいるだろうか。
よし全曲聴いてやろう。 Schubert に始まり Schubert で終わるのも音楽オタクらしくていいだろう(笑)

Auf dem Wasser zu singen, D. 774
Elly Ameling/Irwin Gage
必要以上に速く演奏してはならない曲だ。

Nacht und Traume, D.827
Elly Ameling
Dalton Baldwin
演奏家は言わずと知れる二人かな。

Death and the Maiden, String Quartet No. 14
彼が,歌並みに緊張を途切れさせずに書き切った名曲。多分,弦楽4重奏曲を書くロマン派の作曲者が誰彼となく意識していた名曲でしょう。
the Maiden Quartett for Strings
但し,録音と up の質がちょいと。

Death and the Maiden, op. 7 no. 3
Várady Júlia
Dietrich Fischer-Dieskau(piano!)
彼がピアノを引いているのを初めて見た。結構まともに弾いている(笑)
弦楽4重奏版の原曲である。

Renée Fleming
もこの曲を歌ってる。録音は遙かによい。

Du bist die Ruh, Op. 59 No. 3, D. 776
Barbara Bonney
Geoffrey Parsons
うーん,ボニーのいいところが up のまずさ(音の弱さ)で台無しだな。

□ Piano
Impromptu in G flat Op. 90 No. 3
by Olga Jegunova
うん,いい演奏だ。

この項も長く続く(笑)