鰻 浦佐やな
鰻 ありふれているが真っ当な主題であろう。
私は鰻好きである。自信を持って言っておこう(笑)。
それ故,東京の鰻屋を片端から攻めたことがある。
だが,しかしだ。旨い店にはお目にかかったことがない。
固有名詞(群)は出せない。あんまりにも情けなさ過ぎて(笑)。
但し,尾花と新たに有名になった店には行っていない。鰻屋巡りに途中で嫌気がさしたのである。
むしろ有名でもない店を探すとよいのかもしれない。
成田でも,いや言うまい言うまい(笑)。
そして,旨い鰻というとすぐ関西風に鰻を焼く大阪などにあるなんということもない店を思い浮かべるのである。
但し,例外として以下の店を語ろう。
浦佐やな
新幹線の浦佐駅から徒歩で1kmもないから歩いてもいける。
ここは私が尊敬する大先達から紹介された店でもある。
太閤秀吉の頃から「やな」を経営していたらしい。
越後湯沢の駅前からタクシーを拾って行ったことがあるが,浦佐のやなというと運転手は問い返しをするまでもなく連れて行ったものである。
この店は,飲食店と言うより,簗に付属する小屋そのものであるから建物はみすぼらしい。
冷房もなく,真夏はトタン屋根の上に川の水を流して涼とするのである。
だから,食べログなどでは高得点はとれていない。まあ,「食都日本,嘘をつくな」を地でゆく店である。
ここでも鰻は焼くのである。
蒸して焼くのが関東風であるが,実は上手いと思ったことがない。
私は見たことがないが,この店で季節に焼いた鰻はまず蜂がかすめ取っていくらしい。
客も蜂が削り取って行くのを鷹揚に眺めて酒を飲むのである。
あまり褒めないようにしておこう。
なお,冬もやっているがやめた方がよい。さすがに冬に簗に揚がる魚は…
経験から言えるのである(笑)