山登りのこと
□ 尾瀬&燧ヶ岳
□ 白馬岳と雷

山登りをするようになったのは大学2年の頃であるが,きっかけは我ながら不明である。
父方の祖父が山歩きが好きだったそうだからこれまた血のしからしめるところかな。
山が好きと言うよりは山の匂い(落ち葉の匂い,腐葉土の匂いとも違うが)が好きなのかな。
頂上の景色が好きというわけでもない,むしろ雨の日の森林歩きの方が好きだったりする。
かって櫛形山を登っている時に木に登っていたかわずが一斉の歌声を上げていたのに感激したことがある。
他方,高校生の頃,図書室で山岳遭難の本ばかりを読んでいた時期もあった。怖い物見たさかな。

だから登山については,普通の山好きが好むような困難に挑戦するような人間ではなく,だからそういう面ではあまり自慢できるものがない。
岩登りもほとんどしたことが無いし,冬山も初級を少し囓っただけというものである。
そういう物に興味がなく,思いがけず知れない湿原などに出くわすとワクワクするのである。

少し,素人登山のお付き合いしていただけると幸いである。残念ながら山行は変なこだわりがあって写真はほとんど撮っていないのです。

大学2年の時が登山の最初である。
正確には,高校生の時,学校行事で浅間山を登らされたがほとんど記憶がない。

□ 尾瀬&燧ヶ岳

鳩待峠→尾瀬ヶ原→沼→燧ヶ岳→銀山湖
というコースで,裏燧を少しかすめたのが少し変わっているだけで堂々の普遍的(笑)尾瀬ハイキングコースである。
燧ヶ岳(標高2356m)は,ここより北の日本にはこれ以上高い山がないという山で初心者には結構厳しかった。登山道の特徴は土の中に小ぶりな岩が埋まっていると感じで下りが降りずらかったのを覚えている。
尾瀬,周辺の山も含め,にはその後も5,6回は行っただろうか。裏燧が一番好きだった。

真冬の尾瀬(完全な冬山である)も目標だったが,これも行き損なったな。
山スキーを使えば結構行けたか。いやー厳冬期の尾瀬は3000m級のアルプスと同じだから臆病者には無理無理(笑)

この登山もどきの後には,3000m越えの山の前には1,2週間前からランニングを始めるなど泥縄的なことも試みた。

□ 白馬岳と雷
これも大雪渓から白馬に登り,天狗のキレットを下って,唐松から降りるという王道コース(臆病もんです:笑)を計画。
大雪渓の階段登りに大汗をかいて白馬岳の頂上の山荘小屋に至れば,そこには天気図が張り出されていた。その後の私ならこりゃやばいぞと低気圧を適当にやり過ごすかと思うような結構大きめな低気圧が来ていた。
私は,雨もなく薄曇りだったのもいけなかったが(この辺は完全に下界の感覚であった),それを横目で見ながら(アホや),南へ縦走を始めた。

それでもラジオをかけて雷が来るかどうかのチェック(雷により空電が入るのです)をしていたのであるからやっていることがちぐはぐ(笑)。

案の定,鑓ヶ岳付近から強烈な雷雲に捕まってしまった。森林限界をとうに超えている岩尾根の縦走だから隠れるところなんかはまったくない(笑)。
山上の雷は,下界の雷と違って,「ドーンゴロゴロ」とかのかわいらしいものだけではなく,雷雲の中だと「バチッ」といって極く至近距離から雷光が飛んでくる。
方向も上からではなく横からも。そのときも割と近めのところから「バチッ」と。登山靴の金属のカシメのところから火花が飛んだと思えた。もちろん支流でしょ。本流ならこんな脳天気なブログは書いていない。黒焦げ(比喩です(笑))になって天国にいるはず(笑)。
この辺認識も記憶も曖昧(笑)ですが,恐慌にかられてザックを放り捨て,金属を使った部分があるメガネも腕時計も置き捨てて頭から這松の下に飛び込んだ。高山帯に生えている這松って本当に高さが数十cmくらいしかなく,腹ばいで這いずり込んだというのが正確なところ。そのうち腹の下に少し堪っていた水の冷たさに正気を取り戻したころには雷は遠ざかっていた。

この時点で冷静になれば,低気圧が通り過ぎた以上,雷も大丈夫だと思う余裕もなく,そのまま白馬鑓温泉(標高2100m)に下ってしまった。これが不帰ノ嶮に行き損なった顛末です。
これが山の怖さと山の露天温泉の良さを知った初めての機会であり,鑓温泉小屋の湿った布団に背を預けて天井を見上げている安心感といったら例えようがなかった。

それからです。NHK第1放送と第2放送で,天気概況を聞きながら,天気図を書く練習を始めたのは。
第2の短波放送の方はかなりな早口だったから聞き取って直ちに緯度と経度の点に例の旗竿を記入するというのは結構難しかった。

これは今では何の意味もない技術かもしれませんね。スマホを見れば天気なんぞはすぐ分かる時代ですから。

その後もなんどか雷雲に捕まったことがある。
赤石岳の下山後に,山稜辺りの小さな(下からはそう見えた)雲の中にいた登山者がメガネの蔓に落雷があって死んだとかのニュースを聞いたし,やはり森林限界近くで,岩陰で雨宿り(これも危ない)をしていたら,50mくらい先にあった灌木に横合い数メートル先から雷がバチと飛んでいって,プーンと焦げ臭い匂いが辺りに広がったりと,そのときは凄い綺麗なものが見られたという感覚でいたが,冗談抜きでやばかったのです。

登山をしない人にはわからないかもしれないが,洞窟の入り口付近は危ないとか,高木の下で雨宿りをしてはいけないとかは初歩中の初歩的知識です。
洞窟の上方から流れる水に電気が伝わり,洞窟の蓋になっていた人間(良電導体です)をそれが通過して,入り口の下の地面に電気が流れる落ちるとか,木に落ちた雷(電気)が地面との間に流れる際に近くに居た人間にも流れるという具合に危険なのです。

続く